劇場用映画
「ビアンカ・オーバースタディ」
出演者募集。
原作：筒井康隆
監督：友松直之
２０１９年度に製作を予定する学園ＳＦ映画「ビアンカ・オーバースタディ」。原作は日本ＳＦ界の巨人にして「時をかける少女」「虚構船団」「夢の木坂分岐点」で知られる筒井康隆。「筒井康隆、ライトノベルはじめました」「それは、２０１０年代の『時をかける少女』」のコピーで出版され話題を呼んだ本作を映画化。監督は、「ＳＴＡＣＹ」（原作：大槻ケンヂ 出演：加藤夏希 尾美としのり）「吸血少女対少女フランケン」（原作：内田春菊 出演：川村ゆきえ 斉藤工）などを手掛けた友松直之。本作のメインキャストを含む出演者を、経歴を問わず広く募集します。
原作者
筒井康隆
１９３４年大阪生まれ。スラップスティックでブラックな笑いを得意とし、初期には少年向けのＳＦジュブナイルなどとともに、ナンセンスＳＦ作品を多数発表。日本ＳＦ界を牽引し、星新一、小松左京と並んで「ＳＦ御三家」とも称された。７０年頃よりメタフィクションの手法を用いた前衛的、実験的な作品が増え、エンターテインメントや純文学といった境界を越えて広い活躍を見せる。星雲賞、日本ＳＦ大賞、泉鏡花文学賞、谷崎潤一郎賞、川端康成文学賞、菊池寛賞、読売文学賞、毎日芸術賞など、受賞歴多数。映画化作品は「俺の血は他人の血」（舛田利雄監督）、「ウィークエンド・シャッフル」（中村幻児監督）、「時をかける少女」（大林宣彦監督）、「ジャズ大名」（岡本喜八監督）、「スタア」（内藤誠監督）、「時をかける少女」（細田守監督）、「日本以外全部沈没」（川崎実監督）、「パプリカ」（今敏監督）、「七瀬ふたたび」（小中和哉監督）など多数。
（写真撮影：ホンゴユウジ）
監督
友松直之
１９６７年大阪生まれ。漫画家内田春菊の作画アシスタントを経て、９２年自主映画「夏色浪漫」がＴＳＵＴＡＹＡインディーズムービーフェスティバル佳作入選、９３年「バラードに抱かれて」で商業映画監督デビュー。「ＳＴＡＣＹ」「吸血少女対少女フランケン」などの映画、ピンク映画、テレビドラマ、「レイプゾンビ」シリーズなどのＶシネマを監督し、作品数は百本を超える。シナリオ作品に「ミナミの帝王」シリーズ（萩庭貞明監督）や、「飛べ！ ダコタ」（油谷誠至監督）、「ソ満国境十五歳の夏」（松島哲也監督）がある。
あらすじ
ビアンカ北町は美少女で実験好きの生物部員。人間の生殖細胞を観察したいビアンカは、一学年下の男子生徒塩崎哲也に命じて精液を提供させる。
他の男の精子と混ぜたらどうなるだろうか。ビアンカは、久し振りに実験室にやって来たもうひとりの部員、千原信忠にも精子提供を頼む。
信忠の精子を観察したビアンカは驚いた。彼の精子は小さく弱々しく、シャーレ上で混ぜ合わせた哲也の精子に攻撃されて反撃もできないようだった。
信忠（ノブ）は、タイムマシンで未来からやってきた未来人だった。何十年後かの未来では、科学技術も資本主義も頭打ちで、人類は緩やかな滅亡の過程にあるようだった。ノブの精子が弱々しいのも未来標準で、繁殖能力だけでなくヒト種の生命力が弱まっているらしい。また未来では、食用家畜を巨大化させるプロジェクトの実験動物だった巨大カマキリが逃げ出して自然下で繁殖してしまい、それが家畜や人を襲って問題になっていた。ノブがこの時代にやってきたのは、その対策として、カマキリを捕食する動物を確保して未来に持ち帰るためだった。
ペットショップで買ってきたというアフリカツメガエルを見せて説明するノブの話に、ビアンカは聞き入った。
「このカエルの卵に、人間の精子を受精させるなんて、できるのかしら」
人間とカエルのキメラなら、巨大になるだろうし、カマキリ軍団と戦うチームワークや作戦遂行のための知能も期待できるだろう。というのは建前で、実は変な実験をしてみたいだけだったのだが、ノブも乗り気になり、ビアンカに手伝わせて哲也の精子をアフリカツメガエルの卵に受精させた。
それで気がすむビアンカではなかった。今度は生物部顧問教師の工藤にも精子を提供させて、ノブが部室に置き忘れていった未来の実験機材を使ってアフリカツメガエルの受精卵を作る。
もちろんただではすまなかった。工藤そっくりの人面巨大カエルが実験室の水槽を逃げ出して大騒ぎになってしまったのだ。
未来から戻って来たノブが、緊急処置としてタイムマシンで人面カエルが孵化する寸前のタイミングに戻って受精卵を回収し、何とか事態は収拾できた。
ノブは、人面カエルだけではなく、ビアンカたちも未来に連れて行く。カマキリ掃討作戦を手伝わせるつもりのようだった……